1000−1

● 2進法 ●

 さて、いきなり「なぞなぞ」です。

 「両手の指の数が2本、なあ〜に?」

 人間は、両手の指の数が10本ですね。
 もし、右手も左手も1本指だったらどうなっていたかな。
 えっ、それじゃ物をつかめないよ〜って?

 じつは、コンピュータは2本指なのです。
 もちろん、どこにも手もないし指もないけど・・・。
 頭の中で2本の指を使ってかぞえているのです。

      

   ぼくは両手の指の数が2本なの〜。
   物をつかむのはへただけど
   計算はとってもうまいんだ!
   最近、絵も音楽もできるようになったよ。

 さて、お金もっていますか?
 心配しないで!
 ちょっとかして・・・なんて言いませんから。

 1円玉、10円玉、100円玉、1000円札、10000円札

 (5円玉、50円玉、500円玉、5000円札はちょっとおいときましょう。
  あっ、そうそう2000円札なんてのもありましたっけ・・・。)

       1円玉が10あつまると 10円
      10円玉が10あつまると 100円
     100円玉が10あつまると 1000円
    1000円札が10あつまると 10000円

 ここにあらわれた 10 は 両手の指の数 10 です。

 数をかぞえるとき、指をおりまげながら
   1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
とかぞえていって、10集まったらそれをひとかたまりにして考えたのです。

 10が10あつまると100ですが、それを10×10のようにかくと
次のようになります。

     1円                 ( このことを 100 )
    10円                 ( このことを 101 )
   100円  は 10×10          このことを 102
  1000円  は 10×10×10      このことを 103
 10000円  は 10×10×10×10  このことを 104

 では、もし2本指だったらどんなお札をつくることになるのでしょう?

 今度は数をかぞえるとき、指をおりまげながら
   1、2
とかぞえていって、2集まったらそれをひとかたまりにして考えることになります。

     1円玉があつまると   2円
     2円玉があつまると   4円
     4円玉があつまると   8円
     8円玉があつまると  16円
    16円玉があつまると  32円
    32円玉があつまると  64円
    64円玉があつまると 128円

 そうすると、2円、4円、8円、16円、32円、64円、128円・・・
などのお札(玉)をつくることになります。

 2が2あつまると4ですが、それを2×2のようにかくと
次のようになります。

   1円                    ( このことを 20 )
   2円                    ( このことを 21 )
   4円  は 2×2              このことを 22
   8円  は 2×2×2            このことを 23
  16円  は 2×2×2×2         このことを 24
  32円  は 2×2×2×2×2       このことを 25
  64円  は 2×2×2×2×2×2     このことを 26
 128円  は 2×2×2×2×2×2×2   このことを 27

 


● たし算 ●

 今度は、たし算です。

   9+90=99
   9+90+900=999
   9+90+900+9000=9999

 両手の指の数が10本で、10進法になれている人間にとって
こんなたし算はかんたんですね。

 では、これはどうですか?

   1+2=?
   1+2+4=?
   1+2+4+8=?
   1+2+4+8+16=?
   1+2+4+8+16+32=?
   1+2+4+8+16+32+64=?

 今度はむずかしそうですね。パッと、わかりますか。
 じつは、両手の指の数が2本のコンピュータにとっては、
こっちのほうがかんたんなのです。

 もう一度、じっくりやってみましょう。

   9+90=99
   9+90+900=999
   9+90+900+9000=9999

 これを、お金になおして考えてみます。

       9 は    1円玉 9個 です。
      90 は   10円玉 9個 です。
     900 は  100円玉 9個 です。
    9000 は 1000円札 9枚 です。

 そして、9 というのは あと 1 あれば 10 になれる数です。

   9+90=100−1
   9+90+900=1000−1
   9+90+900+9000=10000−1

 などは、あと 1 あればと考えるとすぐわかります。
 これは、次のようにもかけます。

   9×1 + 9×10 = 100−1
   9×1 + 9×10 + 9×100 = 1000−1
   9×1 + 9×10 + 9×100 + 9×1000 = 10000−1

 では、これとおなじことが2進法ではどうなるのでしょうか。

 10進法では、9 というのは あと 1 あれば 10 になれる数でした。
 では、進法で、あと 1 あれば  になれる数は何でしょう?
 そうです!  です。

 そこで、次の式で、 は  におきかえ、
円、10円、100円、1000円、10000円などは
円、円、円、円、16円、32円、64円、128円におきかえてみましょう。

   9×1 + 9×10 = 100−1
   9×1 + 9×10 + 9×100 = 1000−1
   9×1 + 9×10 + 9×100 + 9×1000 = 10000−1

 そうすると、次のような式になります。

   1+2=4−1
   1+2+4=8−1
   1+2+4+8=16−1
   1+2+4+8+16=32−1
   1+2+4+8+16+32=64−1
   1+2+4+8+16+32+64=128−1

 これが、「トーナメント戦」にでてきた式でした。

  1+2+4+8+16+32+64 = 128 − 1

 


● 1000−1 ●

 10進法で

     1円玉 が 個 と
    10円玉 が 個 と
   100円玉 が 個 とでは 999円 です。

 これを (10 とかくことにしましょう。

 

 進法で

     1円玉 が 個 と
     2円玉 が 個 と
     4円玉 が 個 とでは  7円 です。

 これを (2 とかくことにしましょう。

 

 そうすると、

   1+2 は (11)
   1+2+4  は (111)
   1+2+4+8 は (1111)
   1+2+4+8+16 は (11111)
   1+2+4+8+16+32 は (111111)
   1+2+4+8+16+32+64 は (1111111)

 この (11)(111)(1111)2 は、
10進数ならば 99,999,9999 のような数です。

 ですから、

   999 = 1000−1

のように

   (111)2  (1000)−1

となります。
 このことを、いままでは次のようにかいてきたのです。

   9×1 + 9×10 + 9×100 = 1000−1

   1+2+4=8−1

 

 そして、(11)(111)(1111)2 のような数は
コンピュータの数のあつかいで、ちょっとした役目をはたすのです。
 このことについては、またのおたのしみ!


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