黄金数

● 黄金数 ●

 数といったら、なんといっても黄金数です。

 数の中のキング、いえ、連分数の中のキングともいうべき数です。
 (連分数については<お勉強>の「連分数」をみてね。)

      これぞ連分数の中の連分数!

と、いったところでしょうか。

 で、どんな数?

 もちろん(?)黄金数というのは、連分数であらわすと、ず〜っと  が続く数です。

               1        
       +       1      
           +      1    
              + 
                    ・・・

 

 ちなみに、連分数であらわすと、 ず〜っと  が続く数は、
前回の / に あと 1 たした

                      1     
    1 + / = 2       1    
                  +     1    
                     + 
                           ・・・

です。

 では、これから黄金数をもとめてみましょう。

 まず、

                     1        
       X  = 1 +       1      
                 1+       1    
                     1+ 1+

                              ・・・

とおくと、

                  1 
       X  = 1 +  X    ・・・ (1)

 これから、

      X = X + 1

      X − X − 1 = 0

 この2次方程式を解くと

        1+/      1−/  
     X=  2     ,   2    

        1+/        −1+/ 
      =  2     , −   2    

 このうちの正の数の方が、もとめていたものです。
 (負の数の方も、マイナスをとったものがあとで出てきますよ。)

 つまり、黄金数というのは、

      1+/              1        
       2     =  +       1      
                    +       1    
                        + 
                              ・・・

です。

 さて、連分数にあらわすと、ず〜っと 1 が続くっていうのは、
こんなことでしたね。
 (ちょっと図がくるっていますが・・・。
 まん中のところは、ず〜っと同じことのくりかえしになっていると思って見てください。)

 上の図のような長方形から、どんどん(なるべく大きな)正方形をとっていくと、
正方形は いつも 個 とれては 「はんぱ」 がでるんだけど、
その「はんぱ」の長方形がみ〜んな相似なのでした。

 

 でも、これって いつもの黄金比(黄金分割)とちょっとちがうな〜
って、思っていませんか。

 黄金分割って、こんなふうにして 長さ を分割するのでした。

 

 長方形の、長い方の辺の長さを  にします。
 ここから、正方形を切り取るのですが

   のこった長方形が、もとの長方形と相似になるように

するには、どこで切ったらよいか
 (これって、ず〜っと1が続く連分数にしたいってことよね〜)

 ・・・ということで、このときの長さの比が、黄金比でした。
 そして、その比の値が黄金数です。

 

 図でいうと

     1 : X = X : 1−X

となる X が黄金数で、 1:X (つまり X:1−X )が黄金比です。

 

 それだったら、さっきの2つ目の長方形が、まさしくそうなっていますよね。

 

 

 ですから、

    X = 1+/  − 1
         2    

      =  −1+/ 
            2    

 ほらっ、どっかで見たことあるでしょ。
 そう、さっきの2次方程式の負の数の解のマイナスをとったものです。

 さらに、これを連分数であらわすと、1 へるだけですから

 

      −1+/            1        
        2     =          1      
                    +       1    
                        + 
                              ・・・

 な〜んだ。
 けっきょく、長方形のたてを1にするか、横を1にするかのちがいだけだ・・・
ということで、どちらも黄金数とよんでいるようです。

 


● フィボナッチ数 ●

 さて、フィボナッチ数というのは、こんな数です。

     1,1,2,3,5,8,13,・・・

 最初の数は  
 次の数も  
 その次の数は、この2つをたすと 1+1=2 なので  
 その次の数は、この2とその前の1をたすと 2+1=3 なので  
 その次の数は、この3とその前の2をたすと 3+2=5 なので  
 その次の数は、この5とその前の3をたすと 5+3=8 なので  
 その次の数は、この8とその前の5をたすと 8+5=13 なので  13

 こんなふうにして、次々にでてくる数がフィボナッチ数です。

     1,1,2,3,5,8,13,・・・

 そこで、フィボナッチ数 1,1,2,3,,13,・・・ のうちの
たとえば、5 と 8 を図にしてみます。

 さらに、この図を1/5(5分の1)に縮小して、スケールをそろえます。

 そうして、もう一度ならべてみます。

 

 どうですか。
 にてますよね〜。

 それもそのはず。じつは、

     黄金数  1+/ 
            2    

の分数の近似値が

     フィボナッチ数の比の値  
                     
 5 
 

になっているのです。

 もちろん、フィボナッチ数の 5 と 8 でなく、もっと後の方の数のほうが、
もっとよい近似値になっています。

 では、これからこの関連をみていきましょう。

 


● 近似分数 ●

 さて、連分数のとちゅうまで計算して(のこりは切り捨てて)
分数で近似するというのをやりましたね。

 黄金数

      1+/              1        
       2     =  +       1      
                    +       1    
                        + 
                              ・・・

でやってみましょう。

 とちゅうまでの分数を計算しますね。

       X  = 1

                  1         1     1+1    2 
       X  = 1 + X  = 1+  1   =  1   = 1

                  1         1     2+1    3 
       X  = 1 + X  = 1+  2   =  2   = 2

                  1         2     3+2    5 
       X  = 1 + X  = 1+  3   =  3   = 3

                  1         3     5+3    8 
       X  = 1 + X  = 1+  5   =  5   = 5

 

 さて、ここで 分子の 1+1,2+1,3+2,5+3 を見てみましょう。

 これって、フィボナッチ数の作り方そのものですね。
 ですから、黄金数の近似分数の分子と分母には、
つぎからつぎへとフィボナッチ数がでてくるのです。

 ついでに、黄金数をもとめた (1)の式

                  1 
       X  = 1 +  X    ・・・ (1)

も、もう一度ながめてみましょう。

 これをみても、

     黄金数とフィボナッチ数は、おおいに関係あり!

って思いますよね。

 ということで、次回は「フィボナッチ数」についてです。
 おたのしみに!!


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