● 数える ●
あなたが、生まれてはじめて数えたものは何ですか。 「さあ、おめめは、いくつあるかな〜?」 ・・・ 「ふた〜つ」
「では、お口は、いくつあるかな〜?」 ・・・ 「ひと〜つ」
「まあ、かしこいわね〜!」 でも、もし・・・
かた方の目が、頭のうしろの方についていたらどうなったでしょう。
「さあ、おめめは、いくつあるかな〜?」 ・・・ 「ひと〜つ」
(くるりとまわって)「あら、こっちにもう1つあるでしょ!」 ・・・ 「うぇ〜ん」
人生のスタートから、さんすうにつまずいていたかもしれません。 そういえば、正多面体の頂点や辺だって、
顔のように前の方にあつまっていると数えやすいのに・・・ それに、絵にもかきやすいってものです。(ピカソはべつとして・・・) だったら、あつめてしまいましょう。 そうです。このホームページでもやりましたね。
数をかぞえる時に大切なこと
それは、「数え落としをしない」ということと
「おなじものを、二度かぞえない」ということでした。
たとえば、交点の個数を数えるとき、
直線はまっすぐである・・・なんて、ど〜でもよかったですね。 さあそれでは、3次元の正多面体を2次元の平面にかいてみましょう。 もちろん、下のような見取り図(みとりず)のことではありませんよ。
頂点や辺を、顔のように前の方へあつめて、
顔だけスケッチしたいのです。 
そして、その次には・・・
4次元の超立方体を3次元の空間にスケッチしてみたいものですね。
● 正多角形 ●
まず、リハーサルとして、
2次元の正多角形を1次元の直線にスケッチすることからはじめましょう。
どれも、いちど円にしてから、1つの辺の1点をぬきとって
ぴよ〜んってのばせば、スケッチのできあがりです。
これを使って、
1次元しか知らない人間に、2次元の正多角形をおしえるとどうなるでしょう。
<1次元の教室にて>
先生: 「今日は、2次元の正多角形というものをお勉強しますよ。
ここから、ず〜っと前に進むと、頂点にぶつかるわね。
そのあと目にした「ふうけい」をおぼえておくのよ。
そこからまた、ず〜っと前に進むと、また頂点にぶつかるわね。
そのあと目にした「ふうけい」は、さっきのと同じでしょ。
そこからまたまた、ず〜っと前に進むと、またまた頂点にぶつかるわね。
そのあと目にする「ふうけい」は、さっきとちがうでしょ。
でも、2次元の正多角形では、これが同じ「ふうけい」に見えるの。
それに、この1次元の世界では、ここから先へず〜っと進んでも、
どこまでいっても、もといたところにもどれないでしょ。
でも、2次元の正多角形というのはね、
なんと、もといたところにもどれるのよ。
ず〜っと前と、ず〜っとうしろは、
無限(むげん)のかなたで、つながっているって考えるのよ。
そして、そのつながってできたところで見える「ふうけい」は、
さっきの「ふうけい」と同じなの。」
せいと: 「???」

先生: 「それに、この1次元の世界では、「みどり」のところを通らずに、
「はい色」のところへワープしたりできないでしょ。
でもね、2次元の世界ではできるのよ。
せいと: 「?????」
● 正多面体 ●
それでは次は、3次元の正多面体を2次元の平面にスケッチしてみましょう。
もちろん、2次元しか知らない人間に、
3次元の正多面体ってものをおしえられるようなスケッチにしたいのです。
だから、さっきの見取り図なんてダメですよ。
あれは、3次元を知っている人間が使うものです。
まずは、正4面体です。
今度はどれも、いちど球(きゅう)にしてから、1つの面の1点をぬきとって
ぴろ〜んってのばせば、スケッチのできあがりです。
ほかも、こんなふうになりますね。
ちなみに、面の個数をかぞえるときは、
まわりの「水色」の面をわすれてはいけませんよ。
これを使って、
2次元しか知らない人間に、3次元の正多面体をおしえるとどうなるでしょう。
<2次元の教室にて>
先生: 「今日は、3次元の正多面体というものをお勉強しますよ。
ここから、ず〜っと前に進むと、辺にぶつかるわね。
そのあと目にした「ふうけい」をおぼえておくのよ。
そこからまた、ず〜っと前に進むと、また辺にぶつかるわね。
そのあと目にした「ふうけい」は、さっきとちょっとちがうでしょ。
でも、3次元の正多面体では同じ「ふうけい」が見えるのよ。
そこからまたまた、ず〜っと前に進むと、またまた辺にぶつかるわね。
そのあと目にする「ふうけい」は、さっきとまたちょっとちがうでしょ。
でも、3次元の正多面体では同じ「ふうけい」が見えるのよ。
そこからまたまた、ず〜っと前に進むと、またまた辺にぶつかるわね。
そのあと目にする「ふうけい」は、さっきとぜんぜんちがうでしょ。
でも、3次元の正多面体では、これが同じ「ふうけい」に見えるの。
それに、この2次元の世界では、ここから先へず〜っと進んでも、
どこまでいっても、もといたところにもどれないでしょ。
でも、3次元の世界の正多面体というのはね、
なんと、もといたところにもどれるのよ。
ず〜っと前も、ず〜っとうしろも、ず〜っとよこの方も、
無限(むげん)のかなたで、つながっているって考えるのよ。
そして、そのつながってできたところで見える「ふうけい」は、
さっきの「ふうけい」と同じなの。」
せいと: 「???」

先生: 「それに、この2次元の世界では、「みどり」のところを通らずに、
「きいろ」のところへワープしたりできないでしょ。
でもね、3次元の世界ではできるのよ。
せいと: 「?????」
● 超立方体 ●
それでは今度は、4次元の超立方体を3次元の空間にスケッチしてみましょう。
もちろん、3次元しか知らない人間に(ふつうの人はそうですよね〜)、
4次元の超立方体ってものをおしえられるようなスケッチにしたいのです。
・・・とはいっても、
パソコンの画面は平面ですから、3次元の立体を、
(3次元を知っている人ならよくわかる)見取り図を使ってあらわします。
まずは、立方体をもう一度みてみましょう。

2次元のスケッチの「みず色」のところを見てください。
この面が、ちゃんと4本の辺でかこまれているのがみえますね。
もちろん、「きいろ」の4つの面とのさかいにある辺のことですよ。
4つの同じ長さの辺でかこまれているのですから、
りっぱな(?)正方形に、見ようと思えば見えますね。
超立方体では、立体をとりかこむ空間が、
ちゃんと6つの面でかこまれた立方体に見えればよいだけです。
それならまさしく、立方体の外がわです。
そして、その立方体の内がわに、
超立方体ののこりをスケッチすればよいだけです。
つまり、前は「ななめ」にもちあげた図でしたが、
今度はまわりじゅうにもちあげた(広げた)だけです。
今度は、胞つまり立方体の個数をかぞえるとき、
まわりの「水色」の胞(立方体)をわすれてはいけませんよ。

これを使って、
3次元しか知らない人間に、4次元の超立方体をおしえるとどうなるかって?
あの〜、じつは、わたしも4次元にいったことは・・・

でも、こんなことはいえそうです。
もとの立方体の、6つの面からつきでた6つの立方体と、
もともとの立方体と、まわりの「水色」の立方体をあわせると
6+1+1=8(個) の 胞(立方体)
があるけれど、
これって4次元の超立方体ではみんな同じはず。
だから、超立方体のことを正8胞体っていうのです。
それから、4次元の世界では、
「水色」の立方体から、「みどり」の立方体のところは通らずに、
「きいろ」の立方体のところへワープできそうです。
● 数える ●
せっかくですから、超立方体の頂点と辺と面の個数を
数えておきましょう。
立方体つまり胞の個数が8個ってわかってしまったら、
あとはスケッチをみながらかぞえれば、かんたんです。

まず、面は1つの胞(つまり立方体)に6個あります。
だから、8個の胞だと、6×8=48 とはならないで、
どの面も2度ずつかぞえてしまったので2でわります。
(6×8)÷2=24(個) ・・・ 面の個数
つぎに、辺は1つの面(つまり正方形)に4個あります。
今度は、どの辺も3度ずつかぞえたことになりますから3でわります。
(4×24)÷3=32(個) ・・・ 辺の個数
さいごに、頂点は1つの辺に2個あります。
今度は、どの頂点も4度ずつかぞえたことになりますから4でわります。
(2×32)÷4=16(個) ・・・ 頂点の個数
もちろん(?)、このホームページの「4次元」で出てきた式
(頂点)−(辺)+(面)−(胞)=0
がなりたっていますね。
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小林吹代
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