双曲幾何(1)

● 次元 ●

 このホームページで「4次元」のお話をしました。

 そうしたら、こんなメールをいただきました。

 この世界は「4次元」ですよ!
 ・・・・・・
 ・・・というわけで、時間を入れるのです。
 ・・・・・・。

 きっと、アインシュタインの
相対性理論(そうたいせいりろん)のことをいいたかったのでしょうね。

 ざんねんながら、前回やったのは、
4次元は4次元でも、「4次元のユークリッド空間」のお話でした。

 だから、相対性理論とは、ぜ〜んぜん関係(かんけい)ありません。

 ユークリッド空間って・・・?

 おおざっぱにいうと、「まがっていない、まっすぐな空間」のことです。

 ・・・ということは?

 そう!

 「まっすぐでない、まがった空間」だって考えられるということです。

 では、前回とおなじように、みていきましょう。

 

< 0次元 >

 まずは、0次元です。
 点です。

     

 ・・・とりたてて、何もいうことはありません。

 

< 1次元 >

 次は、1次元です。
 直線・・・とは、かぎりませんね。

 そう、曲線(きょくせん)かもしれません。

 円とか、放物線(ほうぶつせん)とか、ぐにゃぐにゃの名前もない曲線とか・・・

 

< 2次元 >

 次は、2次元です。
 平面・・・とは、かぎりませんね。

 そう、曲面(きょくめん)かもしれません。

 球(の表面)とか、円柱(の側面)とか、山あり谷ありの名前もない曲面とか・・・

 

           

 

< 3次元 >

 次は、3次元です。
 空間・・・とは、かぎりま・・・

 (さあ、なんといったらよいものやら)

 ぐにゃぐにゃに曲がった3次元の空間って、さてどんなものなのでしょう。

 4次元どころか、3次元でも・・・

 ???・・・・・!

 

 


● 正多面体 ●

 このホームページでの「正多面体」で、こんなことをやりました。

 正多面体が5種類、つまり

正4面体

正6面体

正8面体

正12面体

正20面体

しかないことを、正3角形、正4角形(正方形)、正5角形を、
じっさいにはりあわせて、たしかめてみました。

 そこでは・・・

<正3角形>

 1つの頂点(ちょうてん)のまわりに、
正3角形を3枚、4枚、5枚使ってできる正多面体をみたあとで、
6枚の場合に、こんなことをいいましたね。

これからは

立体ができない!!

 ここでやめておけばいいものを、さらには

 「もちろん、7枚以上使ったら、ぺったんこどころか重なってしまいますね。」なんて・・・。

 でも、正多面体を作るつもりがないのなら、話はべつです。

 1つの頂点(ちょうてん)のまわりに、7枚(以上)の正3角形をはりあわせていって、
どんどん「でこぼこの平面(曲面?)」を作っていけます。

 ぜひいちど作ってみてください。

 本当は、ここにその作品の写真をのせたかったのですが、
あまりにも出来ばえが・・・。
 (かといって、図にするのもむずかしくて・・・)

 

<正5角形>

 さて、工作をするにも、図にかくにも
手ごろなのは正5角形を使ったものです。

 ですから、正4角形(正方形)はとばして、
正5角形をみてみることにしましょう。

 また、1つの頂点のまわりに何枚使うかで考えていって、
1つの頂点のまわりに3枚使ってできるのが、正12面体でした。

これからできるのが

正12面体

 ここでやめておけばいいものを、さらにはまたまた

 「4枚以上使ったら、ぺったんこどころか重なってしまってできませんね。」なんて・・・。

 でも、またしても正多面体を作るつもりがないのなら、話はべつです。

 1つの頂点(ちょうてん)のまわりに、4枚(以上)の正5角形をはりあわせていって、
どんどん「でこぼこの平面(曲面?)」を作っていけます。

 これもまた、ぜひいちど作ってみてください。(おすすめです!)

 本当は、ここにその作品の写真をのせたかったのですが、
またしても、あまりにも出来ばえが・・・。

 でも、図ならなんとか・・・(といっても、1つの頂点のまわりの4枚だけですが)

 

 さあ、こんな形の(もっとなめらかな)ものを知っていますか。

 そう、馬に乗るときに使う鞍(くら)の形ににていますね。

 

 

<正6角形>

 次に正6角形を使ってできる正多面体をみていきましょうということで、
1つの頂点のまわりに3枚使って・・・というところで、
はやくもむりとなってしまいましたね。

こらからは

立体ができない!!

 でも、またしても正多面体を作るつもりがないのなら、話はべつです。

 1つの頂点(ちょうてん)のまわりに、4枚(以上)の正6角形をはりあわせていって、
どんどん「でこぼこの平面(曲面?)」を作っていけます。

 「もちろん、正7角形からさきも、さいしょからむりというものです。」・・・
なんてこともありません。

 正7角形だって、正多面体を作るつもりがないのなら、へっちゃらです。

 

 


● タイルばり ●

 「ペンローズ・タイル」というのを、このホームページでもとりあげましたね。

 そうそう、ペンローズというのは、
ペンタグラムのローズ(バラの花)なんかじゃなくって、
人の名前でした。

 その人は、正5角形で「タイルばり」しようとすると、
どうしてもすきまができてしまうことから、
2種類(しゅるい)のタイルを発明(?)して、
無限(むげん)に広がる平面を「タイルばり」してみせたのです。

 でも、正5角形を使って、まっすぐに広がる平面を「タイルばり」するのはむりでも、
曲面ならば・・・だいじょうぶ、だいじょうぶ!

 そう思って見てみると・・・

正4面体

正6面体

正8面体

正12面体

正20面体

 これらの正多面体だって、中に空気を入れてふくらませて球にすれば・・・

 正3角形や正4角形(正方形)や正5角形で、
ちゃ〜んと球(の表面)を「タイルばり」していますね。

 えっ、そんなことしたら辺がカーブしてしまうって?

 気にしない!気にしない!

 球(の表面)に住んでいる人には、
それが直線だってお約束すればいいのですから。

 「タイルばり」するのが平面でなくって、
球(の表面)のように、ほかのものでもいいのなら・・・

 さっきやったように、1つの頂点(ちょうてん)のまわりに、
4枚(以上)の正5角形をはりあわせていって、
どんどん作っていった「でこぼこの平面(曲面?)」だって、
ちゃ〜んと正5角形で「タイルばり」されています。

 えっ、そんなのあたりまえだ〜って?

 

 


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