組みひも

● メビウスの帯 ●

 メビウスの帯は、このホームページでもとりあげましたね。

 そうそう、1回ねじりの輪(わ)のことです。

 ( 1回ねじって、AはDと、BはCとくっつけます。)

 

 このメビウスの帯は、「表」と「うら」のくべつがつかないってことで有名です。

 でも、もっと有名なのが(?)、
はさみで切ってみると、2つの輪にならなくって、
なんと、つながった1つの輪になってしまうことのようです。

 ( ふつうの輪でなくって、4回ねじりの輪になります。)

 

 これって、まるでマジックのようで、たのしいですね。

 ところで、マジックには美女が・・・いえ、ふんいきが大切です。

 美女ぬき、ふんいきぬきのマジックのタネだけでは・・・
とてもショーにはなりません。

 では、このメビウスの帯をはさみで切るショーから、
美女、いえ、ふんいきを取りのぞいてしまうと、
どんなものになるでしょうか。

 


● 組みひも ●

 メビウスの帯をはさみで切るショーから、
マジックのようなたのしさを取りのぞくと・・・。

 そう、なんてったって、ショーのクライマックスは、
はさみで切るところですから、
ショーでなければ、さいしょから、切っておけばいいってものです。

 

 こんどは、「表」と「うら」で色をちがわせるのではなくって、
「上のひも」と「下のひも」、
いえ、「左のひも」と「右のひも」で色をかえておきましょう。

 そうすると、メビウスの帯は「ひも」で考えると、どうなるでしょうか。

 1回ねじると・・・
「左のひも」と「右のひも」が入れかわります!!

 (三角形にこだわらなければ、−1回と1回はひつようないですね。
  「ひも」でいうと、そのままもとにもどるだけです。)

 

 

 メビウスの帯の「ひも版(ばん)」は、
さいごに、AはDと、BはCとむすべば、できあがりです。

 このメビウスの帯は、あらかじめ切れていますので、
まん中で2つに切ったようすは、よくわかりますね。

 もちろん、AはDと、BはCとむすべば、
つながった1本の「ひも」の輪のできあがりです。

 この、「ひも」のマジックショーをみせたら、
な〜んだ、つまらないってブーイングをあびそうですね。

 


● 三つ葉結び目 ●

 それでは、ひきつづきショーっけのない「ひも」で、
地道(じみち)にやってまいりましょう。
 ( もう、七夕(たなばた)も、ついでにワールドカップも
すぎてしまいましたので・・・。なんの、これから夏まつり!?)

 

 「3回ねじりの輪」を、まん中で切ると・・・

 「三つ葉結び目」ができましたね。

 そうそう、「三つ葉結び目」って、こんなものでした。

 

 このはさみで切るショーを、
そっけない「ひも」でやると、どうなるでしょう。

 

 「3回ねじりの輪」は、ひもを3回組むだけです。

 そう、「組みひも」です。

 そして、AはDと、BはCとむすびます。

 これを、ちょいちょいと(?)うごかしたり、ひっくりかえしたりすれば、
ほら、「三つ葉結び目」のできあがりです。

 

 


● メビウスの帯 ●

 いよいよ次は、ひもを5回組んで、ペンタグラムだ〜!
といいたいところですが・・・
( あまりにも、かわりばえしないってことで、やめましょう。)

 そのかわり・・・というわけでもありませんが、
せっかく、「組みひも」で考えるのですから、
ひもの本数を2本から3本にふやすことにいたしましょう。

 

<1回ねじりの輪ー「メビウスの帯」>

 そうして、メビウスの帯を2つに切る(まん中で切っていく)のではなくって、
3つに切る(3分の1のところで切っていく)とどうなるか・・・
ということ考えてみましょう。

 

 

 こんどは、「上のひも」と「下のひも」の間に「まん中のひも」、
いえ、「左のひも」と「右のひも」の間に「まん中のひも」を考えましょう。

 これを、1回ねじるとどうなるでしょうか。

 2本ならば・・・
 「左のひも」と「右のひも」が入れかわりました。

 では、3本なら・・・?

 そうですね。

 ねじったところで、まん中はまん中のままです。

 

 それでは、いよいよ(?)
メビウスの帯の3本の「ひも版(ばん)」を考えてみましょう。

 メビウスの帯は1回ねじりの輪でしたから、
さいごに、AはDと、BはCとむすび、まん中は自分とむすべば、できあがりです。

 ・・・ということは、
AはDと、BはCとむすべば、つながった1本の「ひも」の輪になるし、
まん中は自分とむすべば、これまたつながった1本の「ひも」の輪になります。

 つまり、輪は2つできるのです。

 ここで、「ひも」から「メビウスの帯」の話にもどして考えると・・・

 「左のひも」と「右のひも」が入れかえてつなげたものは、
メビウスの帯をまん中で切ったものになります。

 「まん中のひも」は、ねじって自分とつなぐのですから、
メビウスの帯そのものです。

 そして、これらがからんでいることを考えあわせると・・・
ジャジャジャジャーン!

 

 

 そう、メビウスの帯を3つに切ると、
「1回ねじりの輪(メビウスの帯)」と「4回ねじりの輪」の、
2つの輪がからんだものになるのです。

 ちなみに、上の図は、
「表」と「うら」で色をちがわせた帯の方で考えたものです。

 

 


● メビウス風の帯 ●

 メビウス風の帯、つまり、何回かねじってはりあわせた輪を、
まん中で切っていくと、

 奇数回ねじったものでは、

     結び目のある1本の輪 (ただし、1回ねじりは結び目がない)

になりました。

 

<3回ねじりの輪>

 たとえば、「3回ねじりの輪」を、まん中で切ると・・・

 「三つ葉結び目」ができました。

 

 それでは、「3回ねじりの輪」を、
2つに切る(まん中で切っていく)のではなくって、
3つに切る(3分の1のところで切っていく)とどうなるでしょう。

 「ひも」で考えれば、
「メビウスの帯」のときと、同じように考えられますね。

 

 

<5回ねじりの輪>

 つぎに、「5回ねじりの輪」を、まん中で切ると・・・

 こんな結び目ができました。

 

 

 いよいよ(?)、「5回ねじりの輪」を、
2つに切る(まん中で切っていく)のではなくって、
3つに切る(3分の1のところで切っていく)とどうなるでしょう。

 「ひも」で考えれば、同じようにできますね。

 

 

 えっ、じっさいに作って切ってみたら、こんがらがってきたって?

 ジグソーパズルでもプラモデルでもそうですが、
できあがり完成図(かんせいず)をよこにおいて作らないとね。

 そして、そのできあがり完成図を見つけだすのが(?)
さんすう・数学ってものですよね。

 

 


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