フィボナッチ列(5)

● ガスケット ●

 「ガスケット」っておぼえていますか。
 (このホームページの「ガスケット」を見てくださいね。)

 「ガスケット」というのは、
「スカスカでなかみがない」ものでしたね。
(さんすう・数学のお約束としては、これではちょっと・・・)

 そして、その中でも、とりわけ有名なのがシェルピンスキー・ガスケットでした。

 

 

 今回は、フィボナッチ列を使って「ガスケット」作りをしてみましょう。

 

 


● 等比数列 ●

 いきなり、フィボナッチ列というのもなんですから、
まずは等比数列(とうひすうれつ)です。

 等比数列(とうひすうれつ)なんて知らない〜って?

 

< 公比 2 >

 たとえば、こんな数列です。(ちなみに、数列って数のならんだもの!)

 さいしょは「1」
 これを2倍すると、1×2=「2」
 これをさらに2倍すると、2×2=「4」
 これをさらに2倍すると、4×2=「8」
 これをさらに2倍すると、8×2=「16」

 ・・・ってなちょうしで、どんどん2をかけていってできた数列

     1 , 2 , 4 , 8 , 16 , ・・・

のようなものです。

 さいしょは、「1」でなくていいし、かけるのも「2」でなくていいのです。

 そんな、数列

     1 , 2 , 4 , 8 , 16 , ・・・

を図にしてみると・・・

 

 

 ちなみに、上の図は「黄金の長方形」ではなくって、

     よこが「1」、たてが「2」

つまり対角線(たいかくせん)の傾き(かたむき)が「2」の長方形です。

 この図のかきかたも、

     1 , 2 , 4 , 8 , 16 , ・・・

という数列がでてくることも、相似(そうじ)ってことだけです。

 そこで、・・・

 

 

というふうにして、シェルピンスキー・ガスケットをつくります。

 えっ、こんなのシェルピンスキー・ガスケットでないって?

 そんなことありません。たんに、

     正三角形からはじめるか、
     直角三角形からはじめるか

のちがいだけですよね。

 

< 公比 3 >

 それでは、さいしょは、「1」のままで、
かけるのを「3」にしてみましょう。

 そうすると、

     1 , 3 , 9 , 27 ,  ・・・

という数列になります。

 これを図にして、さらに「ガスケット」を作ると・・・

 

 

 う〜ん!たんにシェルピンスキー・ガスケット
もう1段(だん)つけくわえただけ・・・といったかんじですね。

 ちなみに、上の図は

     よこが「1」、たてが「3」

つまり対角線(たいかくせん)の傾き(かたむき)が「3」でした。

 

 


● フィボナッチ列 ●

 さあ、いよいよフィボナッチ数列です。
 (もう、なんどもやりましたね。)

     1 , 2 , 4 , 8 , 16 , ・・・

 これを図にするには、こんなことをくりかえします。

 もちろん、長方形は「黄金の長方形」です。

 つまり対角線(たいかくせん)の傾き(かたむき)は「黄金数」です。

 では、いよいよ「ガスケット」作りです。

 作り方は、スライドさせたところに、うめこむだけです。

 

 名前は、「黄金のガスケット」なんていかがでしょうか。
 いえいえ、「フィボナッチ・ガスケット」の方がいいかも・・・。
 (このホームページの中だけですけど・・・)

 さて、こんなふうにしてできてくるフィボナッチ列は、
どんなフィボナッチ列でしょうか。

 もちろん、作り方をみればすぐわかりますよね。

 このホームページで「基本の逆のフィボナッチ列」と名づけたものです。

 そう、

      ----->   (「長い」は「長い」と「短い」に!)

としたものの方です。

     S

     L

     LS

     LSL

     LSLLS

     LSLLSLSL

     LSLLSLSLLSLLS

     LSLLSLSLLSLLSLSLLSLSL

     ・・・・・

 これは、”次”をだすのに
”今”という土台(どだい)の上に”前”をつけたしていく、
コースがどんどんのびていくものでしたね。

 

 


● 1+/  ●

 数列

    1 , 2 , 5 , 12 ,・・・

をおぼえていますか。

  (このホームページの「ペル方程式」でやったのです。)

 「次」の数をだすのに、「今」と「前」をたしたのがフィボナッチ数列でしたね。

     1
     1
     1+1=2
     2+1=3
     3+2=5
     5+3=8

 それにたいして、
「次」の数をだすのに、「今」の2倍と「前」をたしたのがこの数列です。

     1
     2
     2×2+1=5
     5×2+2=12

 そして、フィボナッチ数列が「黄金数」からでてきたように、
この数列は「1+/ 」からでてきました。

 このホームページにも、ケータイの待ち受け画面用に作ってあります。
 (<iモード>を見てくださいね。)

 でも、ケータイの待ち受け画面用にしては、
「1+/ 」では幅(はば)が広すぎるので、「/ 」で作ってあります。

 

黄金数

/ (1+/ )

「1」づつとれる

1+/ なら「2」づつとれる
(/ なら、さいしょだけ「1」)

 

 数列

    1 , 2 , 5 , 12 ,・・・

を図にして、さらに「ガスケット」を作ると・・・

 

 

 こんどは、名づけて、「1+/ のガスケット」なんていかがでしょうか。
 (もちろん、このホームページの中だけですけど・・・)

 さて、こんなふうにしてできてくる文字列は、
どんな文字列しょうか。

 これも、作り方をみればすぐわかりますね。

 そう、

     S -----> L    (「短い」は「長い」に!)

      -----> LL  (「長い」は「長い」が2つと「短い」に!)

とするのです。

 つまり、こんな文字列です。

     S

     L

     LLS

     LLSLLSL

     LLSLLSLLLSLLSLLLS

     ・・・・・

 これもまた、”次”をだすのに
”今”という土台(どだい)の上に、もういちど”今”をつけたして、(つまり2倍して)
これに”前”をつけたしていく、
コースがどんどんのびていくものになっています。

 でも、コースがどんどんのびていくだけなら、
”今”という土台(どだい)の上に、つけたしていけばいいだけなのです。

 だったら、”次”をだすのに
”今”という土台(どだい)の上に、”前”をつけたして、
さらにもういちど”今”をつけたしても、
コースがどんどんのびていくものになります。

 こんなふうにね。

    S

    L

    LSL

    LSLLLSL

    LSLLLSLLSLLSLLLSL

    ・・・・・

 これは、じつは

     S -----> L    (「短い」は「長い」に!)

      ----->   (「長い」は「長い」「短い」「長い」に!)

としたものです。

 これは、 ----->  でわかるように、
対称的(たいしょうてき)になってきていますね。

 

 


● チェック柄 ●

 せっかくですから、ついでに「チェック柄」作りもしておきましょう。
 (オリジナルブランドとして売り出すのは、むりだとしても・・・)

 これが、「黄金のチェック柄」でしたね。
 (もちろん、このホームページだけのお話ですが・・・)

 でも、いま「ガスケット」作りで出てきたのは、
このホームページで「基本の逆のフィボナッチ列」と名づけたものでした。

 それを「チェック柄」にしたものは、下の図で

ちょっと回転させただけのものでした。

 さて、「1+/ のガスケット」作りの方を
「チェック柄」にしてみましょう。

 長いので、マフラーならこっちの方がいいかも・・・。

 ちなみに、 ----->  とした方は
「チェック柄」も対称的です。

 う〜ん!

 でも、やっぱり微妙に(びみょうに)対称的でないものの方が、
あじがあるかも・・・(?)

 

 


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