30

● 細胞分裂 ●
さいぼうぶんれつ

 最近(H13年4月)、TV番組でこんなことをやっていました。
 「がん」に関するまじめな?お話のはじめに、
ちょっと質問ということでした。

 細胞分裂(さいぼうぶんれつ)って知っていますよね。

 1つの細胞が細胞分裂をしていきます。

 1回目の分裂で  1個が2つに分裂して        2個 になります。
 2回目の分裂で  2個がそれぞれ2つに分裂して  4個 になります。
 3回目の分裂で  4個がそれぞれ2つに分裂して  8個 になります。
 4回目の分裂で  8個がそれぞれ2つに分裂して 16個 になります。
 5回目の分裂で 16個がそれぞれ2つに分裂して 32個 になります。

 そこで問題です。
 30回目の分裂で およそ何個になるでしょう?

 なんと、そのときの解答者はみごと正解でした!(すごいっ!)

 答えは およそ10億個 です。

 正解とわかると、解答者自身がおどろいていました。
 (10億という数に?それともみごと正解した自分に?)
 もちろん、まわりの人もおどろいていました。

 さて、どうやってもとめるのでしょうか?

 


● 230 ●

 もう一度くりかえします。

 1回目の分裂で         2個   このことを 21
 2回目の分裂で       2×2個   このことを 22
 3回目の分裂で     2×2×2個   このことを 23
 4回目の分裂で    2×2×2×2個   このことを 24
 5回目の分裂で   2×2×2×2×2個   このことを 25

 30回目の分裂では 30(2を30回かけたもの)です。

   30 = 2×2×2×2×2×2×・・・×2(30回かける)

 さ〜て、どうやって計算しましょうか?

 お父さんやお母さんに聞くと、
昔「指数・対数」で習ったな〜っておっしゃるかもしれません。
 「指数・対数」は高校でするお勉強です。
 およそでいいのですから、もっと気楽にやりましょう。
 おまけに、このことはコンピュータのお勉強に役立つのですよ。

 コツは、

   2×2×2×2×2×2×2×2×2×2 (10回かける)
 =(2×2×2×2×2)×(2×2×2×2×2)
 = 32×32
 = 1024
 ≒ 1000

となるので、これを使うのです。

 230 = 2×2×2×2×2×2×・・・×2 (30回かける)
   =(
2×・・・×2)×(2×・・・×2)×(2×・・・×2)
   =1024×1024×1024
   ≒1000×1000×1000
   =1000000000
    (10億)

 ※ ここで、(2×・・・×2)は2を10回かけたものです。

 


● 米俵で! ●

 TV番組では、この後10億個を米粒で見てみましょう
ということで、10億個分の米粒を米俵につめて
どど〜〜〜ん!とスタジオに積んで見せてくれました。
(もちろん、おお〜っ!とみなさん感心しました。)

 古典的ですね〜ぇ。
 何が?
 米俵という発想が・・・です。

 じつは、さんすう・数学ではよく知られている次のようなお話があるのです。
 (具体的に名前をのせていることもあります。実話でしょうか?)


 あるとき、おとのさまが家来に<ごほうび>をあげることになりました。
 「なんでもほしいものをもうせ。」
 そこで、その家来はこう答えたそうです。

 「1日目は米粒1個、2日目は米粒2個、3日目は米粒4個
  4日目は米粒8個、5日目は米粒16個・・・
  というように前の日の倍になるようにして1ヶ月間ください。」

 それを聞いたおとのさまは、
 「なんとよくのないやつじゃ」
 と、その通りごほうびをあげることにしました。

 最初のうちはよかったのですが、しまいには
どんどん、どんどん米倉から米俵を運び出していくではありませんか。
 びっくりしたおとのさまが問いただし、
はじめて自分の失敗に気づきました。そして
 「なんとよくぶかいやつじゃ」
とつぶやいたということです。

 これは、こんな問題ですね。1ヶ月を30日とします。

  1+2+4+8+16+ ・・・・・ +229

 もしかしたら、さっきと全然ちがう、と思っていませんか。

 細胞分裂のときは 230 をもとめました。
 今回は 
1+2+4+8+16+ ・・・・・ +229 です。

 そんな人は、「トーナメント戦」のところを読んでみてください。
 そこでは、こんなことをお勉強したのです。

     1+2+4+8+16+ ・・・・・ +229  30 −1

 30 −1 も 30 も1しかちがいません。
 だから、どちらもおよそ10億です。

 


●  Kとkはどうちがう? ●

  と  はどうちがうかって?

 そりゃ、K は大文字で k は 小文字・・・?
 そうじゃなくって単位のお話です。

 ふつうメートル法では、キロって言ったら 1000 のことです。

   1km = 1000 m
   1kg = 1000 g

 だから、

   1 キロバイト = 1000 バイト

って、思っている人も多いようです。
 バイトやキロバイトって何のこと?という人は
そのうち、この<お勉強>にのせる予定ですので待っていてね。

 じつは、コンピュータ関連では、キロ は 1000 ではなくって、
さっき出てきた 1024 のことなのです。
 2を10回かけたあの 1024 です。

   2×2×2×2×2×2×2×2×2×2 (10回かける)
 =1024

 そこで、ふつうの キロ(k) と区別するため
大文字で キロ(K) と書くことにしています。

 1KB = 1024 B  (B  バイト byte)
 1MB = 1024 KB (MB  メガバイト
 1GB = 1024 MB (GB  ギガバイト

 でも、ごっちゃにして使っていることも多いので注意してください。


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