等和数(1)

● 等和数とは ●

 「等和数」って知っていますか?

 知らないのが普通です。

 だってこれは、寺田惠一さまがつけられた名前なのですから・・・。

 もっとも、すでに名前があるのなら、残念ですが寺田さまには命名権がなくなります。

 ですから、もし知っているという方がおられましたら、ぜひ教えてくださいね。



 それでは、「等和数」のお話の始まり、始まり・・・。 

             1+2=3

           4+5+6=7+8

      9+10+11+12=13+14+15

  16+17+18+19+20=21+22+23+24



 見て分かるように、連続した数を「+」でつなぎ、途中に「=」を1個だけ入れて等式を作るのです。

 で、等和数というのは、(1,2,3)とか(4,5,6,7,8)のような数の組のことです。

 寺田さまは、もっと簡略な記号にされたのですが、ここでは単に

     9+10+11+12=〔9〜12〕

と書くことにしましょう。

 すると、上の式は次のようになります。

             1+2=3                 →  〔1〜〕=〔〕 

           4+5+6=7+8              →  〔4〜〕=〔〜8〕 

      9+10+11+12=13+14+15        →  〔9〜12〕=〔13〜15〕 

  16+17+18+19+20=21+22+23+24    →  〔16〜20〕=〔21〜24〕 

 

 ちなみに、右辺の前の数は、左辺の後の数より1だけ大きいのですから、わざわざ書く必要はありません。

 そこで、寺田さまは一番右のように書かれました。

             1+2=3                 →  〔1〜2〕=〔3〕       → 〔1;2〕=《3》 

           4+5+6=7+8              →  〔4〜6〕=〔7〜8〕     → 〔4;6〕=《8》 

      9+10+11+12=13+14+15        →  〔9〜12〕=〔13〜15〕  → 〔9;12〕=《15》

  16+17+18+19+20=21+22+23+24    →  〔16〜20〕=〔21〜24〕 → 〔16;20〕=《24》 

 

 ですが、あまり記号を使うとむずかしく感じるものなので、

ここでは、省略するときは、 〔9〜12〕=〔13〜15〕 のように書くことにします。



 さて、上の例なら、小学生でも、すぐに分かります。

 これらは、ある数の2乗から始めて、そのある数と同じ個数だけ両辺につけたして作られたものです。

 1はの2乗  両辺に個(左辺に2、右辺に3)つけたして 

     +2=3

 4はの2乗  両辺に個(左辺に5、6、右辺に7、8)つけたして

     +5+6=7+8

 9はの2乗  両辺に個(左辺に10、11、12、右辺に13、14、15)つけたして

     +10+11+12=13+14+15

 16はの2乗  両辺に個(左辺に17、18、19、20、右辺に21、22、23、24)つけたして

     16+17+18+19+20=21+22+23+24


● かけ算とは ●

 

 それでは、 +10+11+12=13+14+15 を例として考えてみましょう。

 まず、小学校で、かけ算はたし算のくりかえしと習います。

                   3×3=3+3+3

 ここで、両辺に同じ数を個くわえます。

 その3個の数とは、3×3=9 の次からの数、10、11、12 です。

                   3×3=3+3+3

            9+10+11+12=3+3+3+10+11+12

           +10+11+12=(10+3)+(11+3)+(12+3)

           +10+11+12=13+14+15

 上にあげた例は、すべてこのようにして作られたものです。

 じつは、寺田さまはもっとたくさんの等和数を見つけられたのです。

 たとえば、1から始まる等和数には、こんなものがあるというのです。

 (→のあとは、省略して、メインとなる3つの数を書き並べたものです。)

                    →   

  +・・・・・・+14=15+・・・・・・+20  →  1420  

  +・・・・・・+84=85+・・・・・・+119  →  84119   

  +・・・・・・+492=493+・・・・・・+696  →  492696  

  +・・・・・・+2870=2871+・・・・・・+4059  → 28704059  

  +・・・・・・+16730=16731+・・・・・・+23660  →  1673023660  

  +・・・・・・+97512=97513+・・・・・・+137903  →  97512137903 

  +・・・・・・+568344=568345+・・・・・・+803760  →  568344803760  

  +・・・・・・+3312554=3312555+・・・・・・+4684659  → 33125544684659  

  +・・・・・・+19306982=9306983+・・・・・・+27304196  → 1930698227304196   

  

 

 これらが、どうやって出てくるのかは、次回にまわします。

 ただ、こうやってたくさんの等和数は見つけられますが、問題は

      他にないか?

ということです。

 寺田さまは、等和数をもれなく導き出す方法を見つけられたわけではありません。

 こんな方法で等和数がみつかりますよ、というだけなのです。

 (それだって、もちろんすばらしいことです!)

 ですから、もしその他に見つかったら、ぜひ教えてくださいね。

 

 


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