さいころ

● さいころ ●

 こんどは、小学校3年生のお父さんという方から、メールをいただきました。

 「さいころ」って、確率(かくりつ)などで出てくるので、
これって、「さんすう・数学」だなって思われたのでしょうね。

 

 

 ・・・・・質問したいとおもいます。

 

 1) サイコロはどうして表と裏の目をたすと7になるようにしているのでしょうか。

 2) そのとき、目の数はどのような約束でならべられているのでしょうか。

 3) 目の数をランダムにならべたり、
    1からじゅんにならべていって、最後にりょうわきに5、6をならべたりすると、
    なにかまずいことになるのでしょうか。

 

 

 いや〜、問題点をしっかり箇条書き(かじょうがき)にしているなんて、
さすがお父さんですね。

 しょうじきなところ、1)と3)については、わたしも知りません。

 知っているって人は、メールくださいね。

 


● 左まわり ●

 さいころの目は、どのようにおいても、
上の目と下の目をたすと同じ数「7」になるように作られています。

 どうして、上の目と下の目をたすと同じ数になるようにしたのかは知りません。

 でも、そうすると「7」になるのは、かんたんですね。

 だって、立方体の6つの面に「1」から「6」の目をつけると、ぜんぶで

     1+2+3+4+5+6=21

 これを、「上の目と下の目」の3セットでわると、

     21÷3=7

 つまり、上の目と下の目をたすと同じ数になるなら、
それは「7」です。

 もちろん、これは答えにはなっていなくて、
どうして、上の目と下の目をたすと同じ数になるようにしたのかは・・・

 

 そこで、とりあえず、そういうふうにきめたんだということにして、
話をさきにすすめます。

 さあ、いよいよ(?)
質問2) の目の数のならべかたを見ていくことにしましょう。

 

<「1」と「6」>

 まず、「1」の目はどこにするといいでしょうか。

 そう!どこでもいいですよね。

 どこにしたって、くるくるまわせば、同じことです。

 ですから、どこでもいいので「1」の目をつけて、
それから、くるくるまわして、「1」の目が上になるようにおくことにしましょう。

 そうすると、下の目は「6」です。

 これで、「1」と「6」がきまりました。

 

 

<「2」と「5」>

 次に、「2」の目はどこにするといいでしょうか。

 そう!のこった4面のどこでもいいですよね。

 これも、どこにしたって、くるくるまわせば、同じことです。

 

 ですから、のこった4面のどこでもいいので「2」の目をつけて、
それから、くるくるまわして、「2」の目が前になるようにおくことにしましょう。

 そうすると、後ろの目は「5」です。

 これで、「2」と「5」がきまりました。

 

<「3」と「4」>

 さいごに、「3」の目はどこにするといいでしょうか。

 こんどは、どこでもいいとはいきません。

 右を「3」にするか、左を「3」にするかで、
ちがってきてしまうのです。

 「1」「2」「3」の目をじゅんにつないでいくと、
「右まわり」になるさいころと、「左まわり」になるさいころが
作れてしまうのです。

 


<左まわり>

 

 

 

<右まわり>

 

 

 

 そして、この2種類(しゅるい)のさいころは、
おたがいに、鏡(かがみ)でうつしたようなものになっています。

 

 

 つまり、4次元の世界でなら、
くるりとまわして、ピッタリかさねあわせられるでしょうが、
この3次元の世界では、べつものなのです。

 それでは、いったいどちらの方のさいころが
いま使われている「さいころ」なのでしょうか。

 それは、左まわりの方の「さいころ」なのです。

 

 どうして、左まわりの方の「さいころ」にしたかって?

 さあ、どうしてでしょう。

 じっさい、古代エジプトの時代には、
「左まわり」と「右まわり」の両方があったそうです。

 いちど、歴史(れきし)にくわしい人に
聞いてみられるといいですね。

 

 


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