かごめ

● かごめかごめ ●

 子どものころ、こんな歌(うた)であそんでいましたね。

かごめかごめ
かごの中の鳥は
いついつ出やる
夜明けの晩(ばん)に
つるつるつうべった
後ろの正面(しょうめん)だあれ

 もっとも、地方によって、あるいは時代によって(?)、
こんなふうにも歌われているようです。

かごめかごめ
かごの中の鳥は
いついつ出会う
夜明けの晩(ばん)に
つるとかめがすうべった
後ろの正面(しょうめん)だあれ

 じつは、子どものころは、
「かごめ」のいみも知らずに、この歌をうたっていました。

 


● 籠目(かごめ) ●

 「かごめ」は、もちろん(?)「籠目(かごめ)」です。

 (「かがめ」や「かこめ」というふうに、考えている人もいるようですが・・・)

 「籠目(かごめ)」は、籠(かご)の編み目(あみめ)のことです。
 ちなみに、籠(かご)というのは、竹で作った入れ物です。

 「かごめかごめ」では、この籠(かご)をさかさまにして
その中に、鳥を入れているようですね。

 まあ、「つる」のような大きな鳥ではなくって、
せいぜい「ひよこ」のような気もしますが・・・。

 

 

 この「かごめ」に見られるのが、
ペンタグラムでなくって、ヘキサグラムです。

 

 

 ヘキサグラムは、「ダビデの星」ともよばれていて、
ユダヤ教のシンボルマークになっています。

 ちなみに、ペンタグラムやヘキサグラムは、
国旗(こっき)にもなっています。

 

 

< モロッコ >

( ペンタグラム )

 

 

< イスラエル >

( ヘキサグラム )

 

 


● 平面のしきつめ ●

 さて、籠(かご)の編み目(あみめ)は「籠目(かごめ)」でしょうか。

 いまさら、何いってるの!
 さっき、そういったばかりじゃないの!
 そんな声が聞こえてきそうですね。

 いえいえ、そうではなくって、
籠(かご)の編み目(あみめ)は「籠目(かごめ)」だけでしょうか、
ということです。

 (竹の編み方は、「籠目(かごめ)」のほかにもいろいろあるようですが、
今回はそのような話ではありません。)

 もちろん、ちがいますね。

 だって、「籠目(かごめ)」だけでは、
竹の塀(へい)や竹のマット(?)はできても、(平面です!)
竹の籠(かご)はできそうにありません。(立体です!)

 そもそも、
ペンタグラムが正五角形からできたものなら、
ヘキサグラムは正六角形からできたものなのです。

 このホームページの「正多面体」でも、
正六角形では、ぺったんこの平面になってしまうというお話をしましたよね。

 


● サッカーボール ●

 正六角形ばっかりでは、ぺったんこの平面になってしまいますが、
これに正五角形も使えば、立体ができます。

 籠(かご)の編み方(あみかた)なら、
「籠目(かごめ)」ばっかりでは籠(かご)にならないけど、
これにペンタグラムも使えば、籠(かご)ができるといったところでしょうか。

 

 

 さて、正五角形と正六角形を使った立体って、何があるでしょうか。

 そう、サッカーボールです。

 今年は、ワールドカップがありますから、
これから、テレビで何回となくお目にかかるはずですね。

 

 さて、このサッカーボールは、いったい
いくつの正五角形と、いくつの正六角形からできているか、
知っていますか。

 そうですね。

 このサッカーボールの形は、
正20面体の角(かど)をきりおとしてできたものですから、

     正20面体の頂点の個数 が 正五角形の枚数
     正20面体の 面の個数 が  正六角形の枚数

となります。

 

 では、数えてみましょう。

 三角形には3つの頂点がありますから、20枚の三角形では

     3×20=60

 もちろん、おなじ頂点をなんども数えてしまったから多いだけです。

 そこで、1つの頂点をなんど数えたかをみてみると、
1つの頂点のまわりに5つの面がありますから、
どれも5回ずつ数えてしまったことになります。

 ですから、5でわると、

     60÷5=12

 けっきょく、サッカーボールは

     正五角形は 12枚
     正六角形は 20枚

からできているのです。

 


● おわりに ●

 サッカーボールが、

     正五角形 と 正六角形

からできているからって、何のふしぎもありません。

 だって、しょせん人間のつくったものですから・・・

 でも、これが自然のなかにあったら、
おどろきですよね。

 次回は、そんなお話です。お楽しみに!

 

 

 (下の写真は、旅行中に見かけたものです。)

 

 


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