思いこみ

● 正か負か? ●

 「a と −a 
 さて、どっちが正の数?どっちが負の数?」

 もちろん、「−a」が負の数!
 だって、マイナスがついてるもん・・・
なんて、思っている人はいませんか。

 でも、そんな人でも

     X + X −6=0

という2次方程式が、すらすら解けるのだからふしぎです。

    (X+3)(X−2)=0

    X= −3,2

 そう、X は負の数になることもあるって、
ちゃ〜んと知っているのです。

 そうしたら、もし a が負の数なら、−a は正の数です。

 それに、もし a が0だったら、
a も −a も 0 で、0は正の数でも負の数でもありません。

 


● 思いこみ ●

 −1 も −2 も −3 も負の数・・・。だったら −a も負の数(?)

 ついうっかり、思いこんでしまったのです。

 ちょっと考えてみればわかるのに、思いこみがじゃまをする・・・
 そんなことは、さんすう・数学にかぎらず、よくあるものです。

 手品では、トリックにこの思いこみを利用するとのことです。

 さて、温度計にマイナスのめもりがあることもあって、
負の数はなじみやすいものですが、思いこみがじゃまをすることも多いものです。

 たとえば、小学生はひそかにこう考えています。

     たし算したらふえて、ひき算したらへる。
     かけ算したらふえて、わり算したらへる。

 さらには、(おおざっぱに)こんなふうにも考えています。

     正比例は、ふえたらふえる。
     反比例は、ふえたらへる。

 これが、数を負の数まで広げると、こうではなくなってしまいます。

 さんすう・数学以外で、もし
こうだって信じていたことが、そうでなくなったらどう思いますか。

 おもしろいって思う人は、ちょっとかわりもの。
 まあ、あまり気分のいいものではない・・・ってところでしょうか。

 こんなことが、さんすう・数学がわからない、
いえ、わからなくなったと思ってしまう原因のひとつかも・・・。

 


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