タロット

● トランプの起源 ●

 トランプは、もともと何だったか知っていますか。

 じつは、「タロット」だったのです。

 「タロット」なんて知らな〜いって?

 今では、もっぱら占いに使われているようです。
 ですから、本屋さんの占いのコーナーでさがすとみつかりますよ。
 ちなみに、トランプだって占いに使うこともできます。

 さて、タロットはトランプとちがって

     13(枚)×4(種類)=52(枚)

ではありません。

 タロットは、「大アルカナ」22枚と、「小アルカナ」56枚の
あわせて78枚で1セットです。

 トランプになったのは、このうちの「小アルカナ」56枚の方です。

 タロットの「小アルカナ」は

     14(枚)×4(種類)=56(枚)

でできています。

 


● 絵札 ●

 では、これからトランプタロット(の「小アルカナ」)について、みていきましょう。

 まず、トランプは

     13(枚)×4(種類)=52(枚)

 タロットの「小アルカナ」は

     14(枚)×4(種類)=56(枚)

ですから、まず13(枚)と14(枚)というのが、ちがいますね。

 トランプの13枚というのは

     A(エース) から 10 までの 数札10枚
     J(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング) の絵札3枚

をあわせたものです。

 タロットの「小アルカナ」14枚というのは

     A(エース) から 10 までの 数札10枚
     ペイジ、ナイト、クイーン、キング の絵札4枚

をあわせたものです。

 もう、おわかりですね。

 タロットのペイジ(若者)とナイト(騎士)がいっしょになって、
トランプではJ(ジャック)になったのです。

 


● スート ●

 トランプには4つのスートがあります。

ハート、クラブ、ダイヤ、スペード

 では、タロットの「小アルカナ」では、どうでしょうか。

 じつは、タロットの起源(きげん)は、たいそう古いので、
もともとというのは、よくわからないようです。

 そのタロットが、時代をへて、いろいろな地方に、
すこしづつ形をかえて、つたわっていったもののようです。

 たとえば、

ハート、どんぐり、鈴(すず)、木の葉

とか、

ハート、槍の穂先(やりのほさき)、タイル、クローバの葉

などがあるようです。

 そこで、ここでは一番ポピュラーな(?)

杯(さかずき)、剣(つるぎ)、杖(つえ)、星(ほし)

をしょうかいしましょう。

 さあ、どれがトランプのハート、クラブ、ダイヤ、スペードに
なっていったのでしょうか。

 


● 杯・剣・杖・星 ●

< 杯 >

 まずは、杯(さかずき)です。

 杯はカップです。
 優勝(ゆうしょう)するともらえる、あのカップです。
 キリストが最後の晩餐(ばんさん)に用いた聖杯(せいはい)、
という説(せつ)もあるそうです。

 この杯(さかずき)は、トランプのハートになっていきます。

 

< 剣 >

 つぎは、剣(つるぎ)です。

 剣は戦い(たたかい)のときに使う、あの剣です。
 権力(けんりょく)の象徴(しょうちょう)でもあります。

 この剣(つるぎ)は、トランプのスペードになっていきます。

 

< 杖 >

 つぎは、杖(つえ)です。

 もちろん、金属(きんぞく)でできた杖なんかじゃありません。
 木です。それも、葉っぱがついているような生木(なまき)です。
 杖といえば・・・
 そう!魔法(まほう)の杖です。

 この杖(つえ)は、トランプのクラブになっていきます。

 

< 星 >

 いよいよ、さいごは星(ほし)です。

 そうです。「ペンタグラム」です。
 あのピタゴラス教団のシンボルマークの「ペンタグラム」です。

 ペンタグラムといったら、黄金比でしたね。

 黄金比・・・ そう、黄金です!お金です!!
 金銀財宝(きんぎんざいほう)です。
 もちろん、精神的な(せいしんてきな)宝(たから)もふくみます。

 この星(ほし)は、トランプのダイヤになっていきます。

 


● ジョーカー ●

 トランプにはもう1枚、とくべつなカードがありますね。

 そうです。ジョーカーです。

 これは、タロットの「大アルカナ」22枚のうちの1枚です。

 「大アルカナ」22枚には、どれも絵がかかれていて、
しかも、番号までうってあるのです。

 1番は「魔術師(まじゅつし)」、2番は「女教皇(きょうこう)」、
3番は「女帝(じょてい)」、4番は「皇帝(こうてい)」といったように。

 それで、何番がジョーカーになったかって?

 「0番」です。

 「0番」の「愚者(ぐしゃ)」が、トランプのジョーカーになったのです。

 「0番」というと「1番」の前にありそうなものですが、
そうでもなくって、ちょっととくべつなもののようです。

 タロットの「大アルカナ」22枚は、じつは

     21(枚)+1(枚)=22(枚)

で、このとくべつな1枚が「愚者(ぐしゃ)」なのです。

 そして、それがジョーカーになっていくというわけです。

 


● 黒魔術 ●

 タロットの「大アルカナ」22枚の中に、
「ペンタグラム」が描かれているものがあります。

 さて、何だと思いますか?

 それは、15番の「悪魔(あくま)」です。

 「悪魔(あくま)」のひたいに、「ペンタグラム」が描かれているのです。

 じつは、「ペンタグラム」は魔術(まじゅつ)にも使われていたのです。

 「ペンタグラム」は、

精霊(せいれい)をよびだすことのできる図形

ということで、魔術にはかかせないのです。

 魔術には、
よい精霊をよびだす白魔術と、悪霊をよびだす黒魔術があります。

 黒魔術では、悪霊をよびだすということで、
この「ペンタグラム」をさかさまにした図形を使ったりしていたのです。

 なんだかオカルトじみてきましたね。

 


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