ナノ・テクノロジー

● ワールド・カップ ●

 いよいよ、ワールドカップがはじまりました。

 テレビでは、バシッとシュートをきめた、そのしゅんかんが・・・。

 ついでに(?)、そのゴールのネットの「どアップ」まで!

 正直なところ、ネットなんて正方形にきまっているものと思いこんでいました。

 

 これは、愛用のあかすりタオルです。写真がピンぼけというよりは、使いこんで、もうボロボロ!ちなみに、綿100%です。

 えっ、正方形でなくって長方形だって?
今となっては、もともとなのか、変形したのか、それすらも不明です。

 

 ところが、アップでうつしだされたのは、くっきりと6角形です。

 いや〜、サッカーって、
ボールもおもしろい形だけど、
ネットにまでこだわっているのですね。

 そこで、質問(しつもん)です。

 さて、ネットは(A)、(B)のどちらだったでしょうか。
 (まあ、あくまでも、わたしがテレビで見たかぎりですが・・・)

 

(A)

(B)

 これは、洗濯ネットです。掛け布団カバーのネット部分も、こんなのが多いですよ。

 正解(せいかい)は、(A)です。

 えっ、そんなの、どっちでもいいって?

 ところが、そうでもない世界があるようなのです。

 それが、ナノ・テクノロジーの世界です。

 


● ナノメートル ●

 メートルについては、このホームページでもとりあげました。

 でも、ナノメートルなんて、聞きなれない単位(たんい)ですね。
 (さいきんでは、高校の物理や化学でお勉強するそうです。)

 キロメートルやミリメートルなら知っているけど・・・。
 ナノメートルって、何ナノ?

 じつは、とっても小さいもの、
たとえば、分子や原子レベルのものをはかる単位なのです。

     1メートルの 1000分の1が 1ミリメートル

     1ミリメートルの 1000分の1が 1マイクロメートル

     1マイクロメートルの 1000分の1が 1ナノメート

 まあ、あきれかえるほど小さいですね。

 


● カーボン・ナノチューブ ●

 チューブって知っていますか。

 管(くだ)のことです。

 水をまいたりするときに使う、ホースの形です。

 じつは、わたしが子どものころは、
「輪ゴム」や「パンツのゴム」のことを、チューブといっていました。

 てっきり、方言(ほうげん)だと思っていたのですが、
英語だったのですね。

 さて、このホームページの「フラーレン」で、
こんなことを書いてしまいました。

 ・・・・・ 「籠目(かごめ)」だけでは、
竹の塀(へい)や竹のマット(?)はできても、(平面です!)
竹の籠(かご)はできそうにありません。(立体です!)・・・・・

 きっと、すぐにこんなことを考えた人もいるでしょうね。

 塀(へい)って、ぐるりと家をとりまいています。
 これって、りっぱな(?)立体です。
 そうそう、籠目(かごめ)の平面を、
くるりとまるめれば、(ふたのない)円柱になるというものです。

 

(A)

(B)

(C)

 

 さあ、それでは、くるりとまるめて円柱を作ってみましょう。

 平面だけなら、回転(かいてん)すればどれも同じですが、
円柱を作るとなると話はべつです。

 しょうじきいって、そうはいっても、
たいしたちがいではないだろうな〜と思っていました。

 ところが、この6角形の頂点に炭素原子があるような、
カーボン・ナノチューブでは、ずいぶんとちがうらしいのです。

 右と左をくっつけて、まるめて円柱を作ると、
(A)、(B)、(C)、では、その性質(せいしつ)にちがいがでてくるというのです。

 金属(きんぞく)になるものもあれば、
金属にも半導体(はんどうたい)にもなるようなものがあるそうです。

 いや〜、わけのわからないお話ですね。

 わからないついでに、もうひとつ・・・。

 子どもむきの、こんなお菓子(かし)をみかけますね。
 とうめいの、ずいぶんと細長い円柱のプラスチックの入れ物のなかに、
あめ玉や丸いガムが入っているものです。

 そう、チューブの中に、何かが入っているのです。

 じつは、このカーボン・ナノチューブの中には、
鉛(なまり)のような、ほかの物質を入れられるそうです。

 おまけに、あのフラーレンが入った
カーボン・ナノチューブもみつかったというのですから、おどろきです。

 なにがなんだか、さっぱりわけがわかりませんが、
とってもふしぎな世界のようですね。

 


● らせん ●

 ところで、さんすう・数学では、
いくつかのものが、見方をかえると同じだよ、というが大すきです。

 いくつかのもの・・・
それは、まるめる前が、つぎのように3通り(?)もあるということです。

 

(A)

(B)

(C)

 

 もちろん、まるめてしまえば、どれも同じだよ、というのではありません。

 そうではなくって、こららをまるめたものが、
じつは全部同じものからできてしまうのなら、
それにこしたことはないな〜という話です。

 では、やってみましょう。

 (B)から、(A)や(C)をまるめたものをつくってみます。

 まず、(B)をまるめたものは、上の図で、
(0)と(1)をくっつけて作ります。

 (0)と(1)をくっつけたり、(0)と(2)をくっつけたりすると、
(C)をまるめたものになります。

 では、質問です。

 (A)をまるめたものを作るには、
(1)から(6)のどれを、(0)とくっつけるといいでしょうか。

 じつは、あらかじめ、ヒントになるように色分けしてあるのです。

 正解は(4)です。

 

 ひまがあったら、じっさいに作ってみてください。

 (1)や(4)のほかは、きっと、
「らせん」がみつかることでしょう。

 

 


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