筮竹占い

● 陰陽(おんみょう) ●

 偶数(ぐうすう)と奇数(きすう)、
さて、どちらが「陰」でどちらが「陽」でしょうか。

 じつは、偶数が「陰」で、奇数が「陽」なのです。
 (さすがに、根拠(こんきょ)があるとも思えませんが・・・)

 これを使った占い(うらない)に、筮竹(ぜいちく)占いがあります。

 ちなみに、筮竹(ぜいちく)というのは、
竹でできた「わりばし」のようなものです。

 そして筮竹の本数が、偶数か奇数かで占うのです。

 


● 筮竹占い ●

 それでは、筮竹占いの方法をせつめいしましょう。

 

 

 まず、筮竹とよばれる竹を20本用意します。
 (「わりばし」でもいいし、はっきりいってコインなら1個でじゅうぶんです。
  コインなら、表(おもて)を「陽」、裏(うら)を「陰」にすればいいだけです。)

 さいしょに、20本のうちの1本をのぞきます。
 (うやうやしく、机の上方におきます。)

 すると、19本になります。

 両手でもって、やおら半分ほどに分け、
右手の方は机の上においてしまって、
のこり本数が偶数か奇数かをみるのです。

 ここで、偶数か奇数かをみる方法が、
じつに「さんすう」的です。

 どうすると思いますか。

 もちろん、何本あるかかぞえて、
それから、偶数か奇数かをはんだんするのではありません。

 こうするのです。

 まことしやかに、2本ずつとりのぞいていって、
さいごに1本のこったら奇数、
のこらなかったら偶数なのです。

 どこが「さんすう」的・・・って?

 わり算の、もうひとつの意味(いみ)を思い出させるところです。

 わり算と聞くとすぐに、たとえば、「9÷2」 だったら、
「9個のものを2人でわけると、1人いくつ?」って考えてしまいます。

 ところが、「9÷2」 には、もうひとつの意味があったのです。

 それは、「9個のものから2個ずつひいていくと、何回ひける?」
ということでした。

 聞いてしまうと、な〜んだってことですよね。

 

 では、占いのつづきです。

 さて、もちろん、たった1回なら

     「偶数」 か 「奇数」 か

の2通りしかありませんから、占いのけっかも、

     「いい」 か 「わるい」 か
     「イエス」 か 「ノー」 か
つまり
     「陰」 か 「陽」 か

の、どちらかになってしまいます。

 これでは、あまりにもたんじゅんすぎます。

 そこで、これを6回くりかえすのです。
 (まるで確率のお勉強ですね。)

 6回もくりかえすと、何だったかわすれてしまいますから、
おぼえておく道具があるのです。

 それが、「算木(さんぎ)」です。
 6回やりますので、算木は6本です。
 算木の表と裏では、ちょっとちがっていて、
それでくべつするのです。

 

 

 1回やるごとに、表か裏にして
算木を、どんどん下から上の方にならべていきます。

 そして、6回くりかえしたあと、
その算木の表裏のならび方で、占うのです。

 

 さて、このような算木のならび方は、何通りあるのでしょうか。

     1回なら 2通り
     2回なら 2×2=4通り
     3回なら 2×2×2=8通り
        ・・・・・・・・・・

 というようにして、

     6回なら 2×2×2×2×2×2=8×8=64通り

 かけ算の九九なら81通りですから、
八八で64通りなら、それより少しすくないですが、
とてもおぼえられそうにありません。

 


● 2進法と16進法 ●

 占いで、よく

 「あたるも八卦(はっけ)、あたらぬも八卦

といいますね。

 この八卦の「八」は、さっきの八八で64通りの「八」です。

 これは、コンピュータで数をあつかう方法とにています。

 2進法で、11010110 という数は、
コンピュータにはいいのでしょうが、
わたしたち人間には、ピンとこないし、
ついうっかり0のひとつぐらい、書きわすれそうです。

 そこで、こんなことをするのです。

 11010110 なら 1101 と 0110 に分けて
それぞれを16進法であらわすのです。

 16進法では、0から9まではそのままで、

     10は「A」、11は「B」、12は「C」、13は「D」、14は「E」、15は「F」

を使っています。

     1101 = 8+4+0+1 = 13 = D

     0110 = 0+4+2+0 = 

 ですから、

     11010110  D

 これなら、すっきりしていますね。

 

 それでは、占いの方はどうなっているのでしょうか。

 陽陽陽陰陰陰 なら 下3つの陽陽陽と、上3つの陰陰陰に分け、
それぞれを(8進法?の)八卦であらわすのです。

 (8進法?の)八卦には、数字やアルファベットではなくて、
意味のある漢字があてられています。

 

 

 上の例では、下が八卦の「乾(けん)」といって、「天」をあらわし、
上が八卦の「坤(こん)」といって、「地」をあらわします。

 そして、この2つの「地」と「天」がくみあわさって、
「泰(たい)」という64通りのうちのたった1通りが、
占いのけっかとして、でてくるのです。

 ちなみに、「地天泰(ちてんたい)」というのは、
天と地がひっくりかえっているので、
たいへんなことがおきる・・・ということではありません。

 物事は変化するのですから、
上にある「地」は下にさがろうとするし、
下にある「天」は上にあがろうとするのです。

 ですから、これはこのままでとってもよく、
うまくすすむということになるそうです。

 この「地天泰」というのは、
デザイン的にもすてきで、占いの意味もいいことから、
占いをする易者(えきしゃ)さんたちの、
シンボルマークとして使われているそうです。

 


● 筮竹の本数 ●

 ところで、横浜の方から「筮竹の本数」についてメールでご指摘をいただきました。

 このホームページでは「筮竹の本数」は20本って書いてあるけど、

「易経」などでは50本を使うようですよ、って。

 さすが、横浜!

 中華街もあることだし・・・(関係ないかも)

 わたしの持っている「おもちゃ」の筮竹占いは

     「筮竹」は竹ひご

     「算木」はプラスチック製

 でも、さすがに本職さんは、そんなはずはありません。

 そういえば、「筮竹の本数」が20本ではスカスカになってしまいます。

 たしかに、50本ぐらいありそうです。

 

 横浜のYさん、貴重なご指摘ありがとうございました。

 


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