正方形への分割

● 正方形への分割 ●

 大学3年生の方から、こんな質問のメールをいただきました。

 ちょっと見るとクイズやパズルのようですが、じつは、さんすう・数学ともいえます。
 そこで、問題の部分だけ、しょうかいさせていただきます。

 
 

 【問題1】 

     2辺が47と65の長方形がある。
     これを10個の正方形でしきつめるには、どうすればよいか。

 【問題2】 

     2辺が32と33の長方形がある。
     これを9個の正方形でしきつめるには、どうすればよいか。

 

 

 これって、ユークリッドの互除法(ごじょほう)の練習問題です。

 「ユークリッドの互除法」は、このホームページでも取り上げましたね。

 


● ユークリッドの互除法 ●

 ユークリッドの互除法は、
おたがいに、わり算していくのでした。

 くわしいせつめいは、<お勉強>の「ユークリッドの互除法」をみてください。

 ここでは、けっかだけにしましょう。

 【問題1】は、
2辺が47と65の長方形ですから、
47と65をおたがいにわり算していくのです。

     65÷47= あまり 18

     47÷18= あまり 11

     18÷11= あまり 7

     11÷7= あまり 4

     7÷4= あまり 3

     4÷3= あまり 1

     3÷1=

     ここで、

     =10(個)

 

 これを図にすると、つぎのようになります。

 

 

 


● 素因数分解 ●

 もちろん、このような問題は、かならずユークリッドの互除法でできる・・・
なんて、だれもいっていません。

 なにしろ、つかう正方形の個数がきめられているのですから。

 何個でもいいのなら、ユークリッドの互除法でいいのですが・・・。
 もっとも、何個でもいいのなら、
いつだって、1辺が1の正方形でしきつめればいいですよね。

 さて、ユークリッドの互除法で、
すんなりいかないのが、【問題2】です。

 【問題2】は、
2辺が32と33の長方形ですが、
32と33をおたがいにわり算していくと、
あっというまにおしまいです。

     33÷32= あまり 1

     32÷1=32

     ここで、

     32=33(個)

 でも、問題は、9個の正方形でしきつめろといっているのです。
 33個なんて、とんでもないですね。

 

 そこで、ここからはパズルです。
 つまり、いろいろやってみるのです。

 ・・・とはいっても、デタラメではうまくいきそうにもありません。

 まずは、32と33という数について、みてみます。
 それぞれの数の素因数分解は、つぎのようになります。

     32=2×2×2×2×2

     33=3×11

 どうも、33がよさそうです。(こういうところがパズルです。)
 33なら1辺が11の正方形が個とれます。

 そこで、その個の正方形をとりのぞいて、
ユークリッドの互除法がつかえないかなとやってみるのです。

     32−11=21

 つまり、21と33でやってみるのです。

 わかりにくいので、けっかの図をさきにのせてしまいます。

 

 

 それでは、21と33をおたがいにわり算していきます。

     33÷21= あまり 12

     21÷12= あまり 9

     12÷9= あまり 3

     9÷3=

     ここで、さいしょの個とあわせると

     =9(個)

 ああ、うまく9個になったな〜ということで、おしまい。

 

 


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