図形でピタゴラス数

● 自由研究 ●

 最近、「夏休みの宿題ができてな〜い。数学はこのホームページでやろう!」
というような、メールをいただきました。

 きっと、数学にも「自由研究」のようなものがあるのでしょうね。

 このメールは中学生の女の子でしたから、もしかしたら
「ピタゴラス数」は高校生向きだからやめておこうって思ったかもしれませんね。

 そこで、アドバイスをひとつ・・・。

 それは、(このホームページにかぎらず)、
ほかの方法でもできないかなってやってみることです。

 そうしたら、りっぱな自由研究になりますね。

 


● ピタゴラス数 ●

 <お勉強>の「ピタゴラス数」を読んでいただけましたか。

 あれは、グラフを使うものでしたが、
「解と係数の関係」で、そんなの知らな〜いって人には・・・

 じつは、ほかにも初等整数論を使う方法もあるのですが
場合分けがあったりして・・・

 目からうろこといった感じのものでは、代数的整数論を使う方法があるけど
そこに行き着くまでに・・・。

 そこで、今回は中学生向きに図形でやってみました。

 こんなことが、問題になっていましたね。

 X と Y を  をつかってあらわそうというのです。

 

 

  今回はこの図から、円を消してしまいます。

 まず、そのために角POHの二等分線をOTとします。

 四角形ROTPは平行四辺形となって、
ROの長さt は PTの長さと等しいことに気づきます。

 そこで  は これからPTの長さとします。

 


● 初等幾何 ●

 さて、X と Y を t を用いてあらわしてみましょう

 

 まず、直線OTは角POHの二等分線ですから

     PT : TH = 1 : X

となりますから、TP=t なので

     TH=tX

 次に、点Pから直線OT(の延長線)へ垂線PUをおろして、
直線OH(の延長線)との交点を S とします。

 そうすると、三角形POU と 三角形SOU は合同ですから

     OS=1 

がわかります。さらに、

     HS=1−X

 

 

 さらに、角TOH と 角TPU が等しいことに注意すると
三角形TOH と 三角形SPH が相似であることがわかります。

 

 そこで、

     OH : TH = PH : HS

      X : tX = (t+tX) : 1−X

      1 : t  = t(1+X) : 1−X

      t(1+X) = 1−X

      t + tX = 1−X

      tX + X = 1−t 

     ( t +1)X  =1−t

                 1−t
            X = 1+t 

 

  さて、今度は Y ですね。

     Y = t +tX 

     Y = t(1+ X)

                1−t
     Y = t(1 +  1+t  )

            2t  
     Y =  1+t 

 

 ですから、<お勉強>の「ピタゴラス数」とあとのお話はいっしょになりますね。

 じつをいうと、わたしは幾何って初等幾何さえもにがてなのですが、
今回は前に円でやったので、補助線がそのまま使えて、
”ひらめき”を必要としませんでしたね。

 


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